COOKALC ツール
道具を選ぶと、注ぐ順番とタイミングが出ます。実際にカップに届く量も出します。
タイマーは登録不要で使えますマグ1杯はおよそ 300〜350ml、カップ1杯は 140〜150ml です。
右へ動かすほど、薄くすっきりします。正解はありません。
粉が吸う分と、器具に残る分・淹れている間に湯気で逃げる分を引いています。
道具ごとに覚えます。次に同じ道具を選んだとき、ここに出ます。
「はじめる」を押してください
淹れている間、画面が自動で消えないようにしています。登録なしで使えます。
豆やお湯の量そのものではなく設定を保存するので、呼び出すとその場で計算し直されます。
ミルの番手のメモも一緒に入ります。
コーヒーの淹れ方には「正解」がありません。同じ道具・同じ豆でも、お店や人によって 比率も温度も挽き方も違います。調べてみると、同じ「ネルドリップ」という名前で 湯温が65℃から96℃まで、30度以上も開いていました。 このツールはどれかを正解として選ばせるのではなく、「◯◯ではこうしています」と 出典つきで並べて、あとはあなたが決めるという作りにしています。
比率のスライダーの下に帯が出るのは、そのためです。 出典が集まっているのは1:12〜1:18ですが、可動域はもっと広く取ってあります。 このサイトを作っている人間はいつも1:19〜21で淹れていて、帯の外です。 同じ家の中でも「濃い」「ちょうどいい」が分かれました。 好みの幅は、出典の幅より広い。だから、あなたがどこにいるかだけを表示します。
もうひとつ、このツールが他と違うのは「実際にカップに届く量」を出すところです。 注いだお湯は、そのまま全部は落ちてきません。粉が吸う分、器具に残る分、 淹れている間に湯気になって逃げる分があります。 多くの計算サイトはメーカーの公称値をそのまま使っているので、出来上がり量を多めに出します。 こちらは4回実際に測りました。粉が吸うのは粉の重さの2.0倍、 それとは別に、器具と湯気でお湯の約6%が消えます。
測って分かったことは、通説と食い違うものもそのまま書いています。 たとえば「金属フィルターはお湯を吸わない」という話は、同じ条件で紙と比べたら 差が1.4%しかありませんでした。以下、気になるところだけ開いてお読みください。
コーヒーは、注いだお湯がそのままカップに落ちてきません。 粉が吸って戻ってこない分と、器具に残る分、それに淹れている間に湯気になって逃げる分があります。 この差を計算に入れていないと、「4杯分のつもりが3杯半しかない」ということが起きます。
スターバックスは、この点をはっきり書いている数少ない例です。 「10gのコーヒーの粉に対して180mlの湯で抽出すると、最終的に抽出されるコーヒーの量は 約140〜150ml程度です」「コーヒー粉が湯を吸収し、器具やペーパーフィルターなどに 少し湯が残ることがあるため」。
180ml 注いで 145ml。35ml、つまり2割近くが消えています。
粉が吸う量は、抽出後のフィルターごと秤に載せれば直接量れます。 12g の粉で24.1g——ちょうど粉の重さの2.0倍でした。 これは KEY COFFEE が公開している3例、英語圏の一般的な説明(“roughly twice their weight”)、 HARIO のウッドネック(ネルドリップ)公式の数字とも一致します。
ところが、実際に飲めた量はそれよりさらに少なかったのです。 12g / 180g で、カップに届いたのは 148g。粉が持っていった24gを引いても、 まだ8gほど足りません。
そこで、秤に載せたまま注いで、注ぐ前と後の総重量を比べてみました。 注いでいる2〜3分のあいだだけで 2.9g(お湯の1.6%)が湯気になって消えていました。 残りは器具の内側に残った分です。
このツールは 「粉が吸う分 = 粉の2.0倍」+「器具と湯気 = お湯の約6%」 を引いて、実際にカップに届く量を出しています。 自分で測った4回と、他社の公表値3件、あわせて7つの条件すべてで誤差 5g 以内に収まっています。
画面に2つの数字を並べているのは、このためです。 「メーカーの計算だと」は粉が吸う分だけを引いた値で、多くの計算サイトが出しているのはこちら。 「実際にカップに届くのは」が、器具と湯気まで引いた現実の量です。
ほとんど変わりませんでした。これは調べ始めたときの予想と逆の結果です。
ネット上でよく見かける説明は「紙は粉の2.0倍のお湯を吸う。金属フィルターは ほとんど吸わない(0.83倍)」というものでした。2.4倍の差があることになります。
同じ豆12g・同じお湯180g・同じ挽き方で、器具だけを変えて測りました。
差は2.0g。1.4%です。「金属はお湯を吸わない」という話は、 少なくともカップに届く量では確かめられませんでした。
フィルターの素材が変えるのは味——油分と細かい粉が通るかどうか——であって、 量ではない、というのが今のところの結論です。だからこのツールは、 素材によって出来上がり量の計算を変えていません。
お湯が粉に触れている時間と、触れ方が違うからです。
ペーパーや金属フィルターのようにお湯を通していくタイプは、 新しいお湯が次々に粉を通り抜けます。短い時間でも成分が出るので、 お湯は粉の15〜17倍くらいが目安になります。
フレンチプレスのようにお湯に浸しておくタイプは、同じお湯が ずっと粉と一緒にいます。4分ほど待つ前提なので、比率は少し濃いめの1:13〜14あたり。 エアロプレスはさらに短時間で押し出すので、ブルーボトルや小川珈琲のレシピでは1:10と、 かなり濃い設定になっています。
そしていちばん極端なのが、ネルドリップの濃厚系です。 大坊珈琲店では、粉30gから100ccしか取りません。出来上がりの量で見ると1:3.3。 低い温度で点滴のようにゆっくり落とし、お湯を落とし切らずに途中で外します。
この淹れ方のときだけ、このツールは出来上がり量を計算しません。 落とし切らないので「何mlできるか」は計算で決まるものではなく、 あなたが止めた量そのものだからです。
苦みは高い温度で早く出るからです。
深煎りの豆はもともと苦みの成分が多いので、熱いお湯で淹れると苦みだけが 先に立ってしまいます。温度を下げてゆっくり淹れると、角が取れて味がまろやかになる—— これは大坊珈琲店のマニュアルに書かれている説明です。同店の湯温は80度。 「少々低めですが深煎りの場合低めでいいのではないか」とあります。
数字の向きは、どの出典でもおおむね揃っています。4:6メソッド(粕谷哲さん)は 浅煎り93℃ / 中煎り88℃ / 深煎り83℃。フィルターメーカーの CAFEC(三洋産業)は 浅煎り92℃ / 中深煎り90℃ / 深煎り83℃。 深煎り83℃は、まったく別の出典どうしでぴたりと一致しています。
なお「浅煎り・深煎り」という区分自体に、決まった定義はありません。 大坊勝次さんは「酸みがほぼゼロになる点」を基準の〈7〉と置き、 そこからの前後で焙煎を語っていました。 深煎りを選ぶというのは、言いかえれば酸みをどれだけ残さないかを 選んでいる、ということです。
粉からガスが抜けています。
焙煎したコーヒー豆の中には炭酸ガスが残っていて、お湯がかかると一気に出てきます。 粉がふくらむのはこのためです。ガスが残ったままだとお湯が粉の中に入っていけず、 成分が均一に出ません。だから最初に少量のお湯をかけて、30秒ほど待ちます。
時間は30秒で、どの出典もほぼ一致しています。 割れているのは量のほうで、全体の12.5%(Kurasu)から20%(REC COFFEE)まで幅があります。 「粉の2倍量」という言い方をする出典もあります。
金澤屋珈琲店のブログには、ネルドリップで見るときのコツが書かれています。 粉の表面ではなく布の染まり具合を見る。はじめは漆黒で、 後半は薄いコーヒー色になっていく。「こうやって、粉の表面ではなく、 ネルの染まり具合を見ると抽出の理論が分かりやすい」。
1杯だけ淹れるときは、粉の面積が小さいぶんお湯がフィルターの脇を伝って そのまま落ちてしまいやすいので、細く注ぐ必要があります。 逆に大量に淹れるときは、中心に太めにたっぷり注いで、 粉全体からガスを抜きます(金澤屋珈琲店)。
前提が書かれていないからです。いちばん分かりやすいのがネルドリップでした。
調べた出典では、ネルの湯温が65℃から96℃まで、30度以上も開いていました。 挽き方も「細〜中細」と「粗〜中」で正反対。同じ「ネルドリップ」という名前なのに、 比率にいたっては4倍違いました。
並べ直してみると、理由が3つ見つかりました。
このツールがレシピごとに提唱者と出典を書いているのは、このためです。 数字だけ抜き出すと、どれも正しくてどれも矛盾して見えます。 「誰が、どういう前提で言っているか」までが数字の一部です。
この構えは、こちらで考えたものではありません。大坊勝次さんは、 自分の焙煎の図を出す直前にこう断っています。 「次の図は味の存在を何かによって、つまり科学によって裏づけられるような ものではありません。私が作ろうとしている味の、イメージを説明するための図です」。 焙煎度を表す〈7〉という数字についても、「この7という数字には、 何の意味もありません。単に説明する都合上の数字です」と書かれています。
油分と、細かい粉が通るかどうかが変わります。
愛知県のフレーバーコーヒーが、理由まで書いている数少ない出典です。 以下はお店の経験にもとづく説明で、検証された数値ではありませんが、 筋が通っているので紹介します。
この説明が本当なら、おろしたてのネルはペーパーに近いということになります (まだ油汚れが蓄積していないので)。新品を粉入りのお湯で煮てから使う、 という手入れには、慣らしの意味もあるのかもしれません。 ——ここは原典に書かれていない、こちらの推測です。
淹れ方より、手入れで挫折する道具です。正直に書きます。
起毛をどちら向きにするかは、手入れの話ではなく淹れ方の話です。 内側にすれば細かく挽いて攪拌する淹れ方に、外側にすれば中挽きで 粉を動かさない淹れ方に向きます。大坊珈琲店は外起毛で、点滴で注いでいました。
2つの出典が、正反対の側から同じことを言っています。
詰まって通らなくなる/通しすぎる。どちらも「使いすぎ」のサインです。 ネルは大量に淹れるのが本領でもあります。 大きな布なら粉が200gまで入り、10杯分を3分で落とせる(金澤屋珈琲店)。 1〜2杯のために手入れを続けるのは、確かに割に合わないかもしれません。
レシピは変えません。変えるのは道具と段取りです。
「屋外だから湯温を何度上げる」といった数字を出している出典を探しましたが、 見つかりませんでした。UCC の助言も「屋外は簡単な方法を選ぶ」という 道具選びの話で、レシピを変える話ではありません。 ここで「屋外は+3℃」のような数字を作ることもできますが、根拠がないので作りません。
実際に効いてくるのは、こういうところです。
道具の絵に付いている 🏕 は「外でも淹れやすい」という印です。 ネルだけは付いていません。水に浸けて冷蔵保存が必要な道具は、 持ち出しに向かないからです。
コーヒー液に溶けている成分の割合(濃度)を屈折計という器具で測り、 そこから豆のうち何%が溶け出したかを計算する、という考え方があります。
アメリカのスペシャルティコーヒー協会(SCA)の基準では、 豆から溶け出した割合が18〜22%、濃度が1.15〜1.35%のあたりが 適正とされています。18%より下は出し足りない(酸っぱくなる)、 22%より上は出しすぎ(苦くなる)、という整理です。
ただし、屈折計がなければ測れません。数千円から数万円の器具です。 持っていない人には関係のない話なので、このツールでは該当のカードごと出していません。
そして念のため書いておくと、この範囲の外にいても「失敗」ではありません。 SCA の基準はアメリカで多くの人が好んだ範囲をまとめたもので、 あなたの好みがそこにある保証はどこにもありません。 実際このサイトを作っている人間は、いつも1:19〜21という、 出典が集まっている範囲(1:12〜1:18)よりかなり薄い淹れ方をしています。
これは、誰にも言えません。
日本でよく使われている TIMEMORE C2 という手挽きミルで、 同じ「円すいのペーパードリップ」の推奨クリック数を調べたところ、こうなりました。
同じミル・同じ器具で、倍近く違います。理由はいくつか考えられます。 手挽きミルは刃が触れる位置を自分で0に決めるので、締め方の強さで全体がずれること。 「C2」にも C2 / MAX / Fold / C3 があって、1クリックの大きさが違うこと。
そもそもミルが違えば、目盛りの意味も変わります。 TIMEMORE C2 が挽けるのは 0〜950µm、Varia VS3 は 170〜1400µm。 レンジも刻みもまるで違うので、「Varia の10.5は Timemore の17」というような 機種間の変換表を作ると、必ず外れます。だから作っていません。
代わりに、「お使いのミルの番手をメモしておく」欄を置いています。 道具ごとに覚えるので、次に同じ道具を選んだとき、前回の値が出ます。 人によって値が違うので、これは記事には書けません。 あなたの「前回これでおいしかった」だけが、あなたにとって正しい番手です。
レシピの数字は各カードにも出典を出しています。ここは本文で触れたものの一覧です。
実測値(吸水2.0倍・器具と湯気で約6%・注湯中の蒸発1.6%・紙と金属の比較)は cookalc.com が 2026年9月に自分で測ったものです。 器具は Cores ゴールドフィルター C211BK / C286BK、カリタ 101FT、ミルは TIMEMORE C2。 条件と生の数字は今後ブログに書きます。